「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」 と思ったら読む 最高の生き方 [ ムーギー・キム ]

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本書の内容に入る前に大前提を押さえておきたい。

生きる意味を問い出したのは、生活に余裕と余剰時間が生じ、寿命格段に伸びるようになったから。

 

人間は生きる意味を考えるようにはそもそもできていないのに、生の意義を考えるようになった。

人は自分がいきる意味の源泉や目的を、本能的な生理欲求の充足に求めたり、生きる意義を考え始めた頃から、宗教的霊感や哲学的理解に求めたり、時にはナショナリズムプロパガンタ)で暴走してきた。

 

生きる意味なんて考える必要がないということ!ただ、考えてしまったからには、幸せに進むために納得するまで考えたい!

 

 

まず、わたしが現存しているこの社会は、承認欲求が幸福の基準になっている。ここ数十年で承認欲求が顕著に人間を内側から支配してきていると強く感じる。特に若者に。

わたしの承認欲求なんて米粒みたいなものだけど、それでも、幸福の価値観の主軸がバグっているこの社会で生きてると、本来の人間としての本当の本能的な幸福とか人生のゴールがわからなくなっちゃう。

 

 

 

そもそも、なぜ人は社会に期待される価値観の軸を鵜吞みにした、強烈な社会貢献欲求と承認欲求を胸に抱くように発展したのか。

自分の絶対的価値に自信がなく社会的相対評価に限定的に育てられた。社会的に評価されがちな一部の価値観だけで人の序列を決められてきたから。

 

他人の役に立ちたいという欲求は、後天的に「種族のため。人のために役に立たない人間は、価値がない」という強迫観念に似た思い込みが植え付けられているから。若しくは、人間という種族が反映するために、そのような利他的な行動様式をもつ個体が生き残ったからなのかもしれない。

 

つまり種族全体に貢献することが自分の価値の源泉であると信じている。

そして種族全体に貢献することは、客観的物差しで測られるようになっているため承認欲求に結び付くと。 

 

価値観とは人によって異なる上、他人に思い込まされ人工的に創造されるものが多い。けれどそもそも価値は主観的なもの。

 

この偽物でありふれた価値観から本物を探し出すのは難しい。

そこでこの本では①霊長類②宗教③哲学④心理学⑤脳科学から行動原理や認知能力の限界を理解し、その行動を変えるために重要なコンセプトを理解することを目的としている。

 

 

①霊長類

人間の一夫一妻制や食べ物の分配は大規模集住を可能にするための後天的で社会的な知恵。

共同体は五感を通じて信頼関係を構築してきた→コミュニケーションが変化して少し離れても大丈夫になってしまっ

人間は他人の子供も育てるような本能に進化している。→コミュニティに属しているという帰属意識がそなコミュニティへの共感に繋がる

 

"家族および共同体とつながり五感を使ったコミュニティケーションをとり共感し合うことが生き物としての人間の幸福にとって非常に重要。"

 

②宗教

闘争本能という強い本能を制御して安定的な集団をつくるために愛や慈悲を強調した宗教が必要だった。つまり宗教は、時代遅れの反応を後天的な脳の書き換えで制御しようという発明。

そんな宗教でも、長年の時の洗礼を経て人類の普遍的叡智が詰まっているものもある

もう一つ宗教は死という謎や恐怖に対して答えを持っていることが重要。

 

”人間らしい生き方と社会を団結させるための叡智のストックが詰まっており、人に死生観や共同体感覚を与えている。

 

 ちなみに、中国のように古来の孔子思想など文明大革命で壊されてしまい宗教や哲学を学ぶ機会が少なくなった。さらに社会、産業後続変革を短期間で経験するため社会の価値観が急速に変化したため何が大切な価値観か見失う人が多い。。

 

③哲学

”幸福か真実か。

哲学を学ぶと浅はかなわかったつもりから離れることができる。本物のことを知ると偽物に頼らなくなる。ただし本物を知ったからといって別にこうふくではない。

永遠の絶対価値を求めるギリシャ哲学的、ないしキリスト教的価値観が反映されている。哲学はヨーロッパのもので東洋のモノは思想。幸福には真実ではなく空想と思い込みが必要だから、ギリシャ哲学は宗教に道を譲ったのかもしれない

 

④心理学

自分が好きでやってることが、結果的には他者に貢献しているような形が望ましい。

脳科学

集団に帰属しないと生きていけなかったため、人間は善悪を度外視して、集団の秩序を守ったり、利益になることを追求するように進化してきた。

 

人間の従いたい欲求は恐るべきで支配されたい側は七割。さらに人から承認してもらった時に放出される報酬系刺激のドーパミンはセックス時より強力。

 

”集団心理と本能的習性を自由意志と勘違いせず、帰属意識アイデンティティをコントロールすることが大切。

 

 

⇒以下筆者の考察引用⇒

自分と何を結びつけるかという自分の脳内ブランディング次第で自分のアイデンティティ、価値観、能力、実績まで変わる。事実を変えなくても、認識を操作する

自由意志で生きているように見えて単に訓練された通り承認欲求を満たすだけの人生かも。押し付けられた帰属意識は空想の集団間の争いな巻き込まれてしまう。

個人的に重視する多様な価値に気づき、その価値観に紐づく具体的行動を選択してこそ生きる価値に納得できる人生を送れる。=バリューワーカーズ

個人的価値があり、社会的価値があるところが自分の居場所。

すでに実現できている自己を祝福してその幸福に感謝するのも人生の価値を実感する上で大切。

帰属先からの承認欲求よりも自分にとって大切な人との愛情を大切に。

 

「自分が大切にしているもののために全力で生きる。目の前の仕事にモチベーションを見出すためにはその行動が自分が重要視している価値観に紐づくような仕事と人生を、自分で作っていく必要がある。そしてその仕事がどうこねくり回しても自分の価値観と反している場合は、その仕事は自分のためのものではない。そして、自分の自由意志と思っているものが単なる内集団バイアスと帰属先からの承認欲求に過ぎないのではと自問することも重要。」

 

「仮に誰に承認してもらわなくても取り組みたい課題が生じ、その解決が自分の存在論的な生きがいにつながる。それはその頭の中で自分が重視する価値観や原体験に由来していることが多い。そうした原体験に由来する価値の追求は、宗教や哲学、真善美と同じく人生に意味を付加するための価値追求に昇華されていく。価値は主観的なもの。多様な価値を認めてこそ、価値を見出すために狙う的が増えるので人生の価値が上がるのは当然の理。」

 

生き方への悩みを感じないほぼ唯一の例外が、めちゃくちゃ面白いと感じていることに没頭して遊んでいる「真の遊び人」。遊びに没頭している状態がそのまま仕事になっているという人が、その分野における最強の仕事人。。

 

 

また行き詰った時にここに戻って思考のリセットができるようにたくさん引用した。身に沁みつくように心に留めておきたいな。

最強の仕事人を目指すぞ!