没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術/吉田尚記

生命の見方が変わって、いい面もあれば悪い面もある。

 

いい面では、最近は働く意味とか生きる意味とか、自分の役割とかあまり深く考えずに患者と業務に集中できるようになった。死に方よりも生き方が大切だと感じるし、寝たきり患者の観察も前よりしっかりとできている気がする。全てはケアに生かせていないかもしれないけど、たまに自分でやった!と思うこともある。

 

悪い面では、死に慣れてしまったこと。初めの頃は死に直面したら自分が鬱々となってしまっていたけれど、今はあまり何も感じなくなってしまった。家族が患者に泣きながら呼びかける様子を見ると、少しだけ感情浮き出てきて、こんなんじゃ患者家族にとってどう見えてるんだろうと不安になったりもする。

 

仕事は仕事、休みは休みと割り切っていたら、看護師ロボットになってしまう。定期的に自分の感情をモニタリングしないとな。

そこで休日2日目の自分の感情をすぐに取り出せるようにしておきたい。

 

休日1日目は身の回りのことを整理したり遊びに行ったり、娯楽に時間を使う。その時を楽しむだけ。

だけど必ず2日目になると将来のために時間を使いたくなる。

だけど3日目にはもう仕事。実際は理想を夢見るだけで終わってしまっている。

 

2日目マインドを取り出す方法の前に、自分にとって将来のための時間とは何なのか。この本を参考にして考えてみたい。

 

 

この本の作者にとって、人生の目標は幸せという胡散臭いものではなく、いつも上機嫌であるということ。

生きるため、繫栄するという目的を失った現代では、この考えが心理を突いていてマッチしていると思う。世間一般の幸せは、種族として役割を果たしてもらうための偶像にしか過ぎないと思うから。現に、予防医学の目指すところは、ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りて眠ると定義されている。

 

またポジティブ心理学では、人間が幸福を感じるための要素は快楽、意味、没頭とされている。快楽は得やすい、意味は見つけやすい。没頭は…没頭はフロー

フローとは目標が明確で迅速なフィードバックがあり、そしてスキルとチャレンジのバランスが取れたぎりぎりのところで活動している時、われわれの意識は変わり始める。そこでは集中が焦点を結び、散漫さは消滅し、時の経過と自我の感覚を失う。そのかわり、われわれは行動をコントロールできているという感覚を得、世界に全面的に一体化していると感じること。(チクセントミハイ

 

確かに何かに集中しているときは時間がたつのが早く、終わってから充足感に満ちている。でも、ただ没頭するだけじゃ将来のための時間とは言えない。そこでフローの特徴を見てみる。

 

ゴールが明確で自分の中で完成図が書けるかどうか。自分のスキルの4%難しいことにチャレンジする時がフローに入りやすい=フローチャンネル。また、責任を持つほうが楽しいという特徴も持つ。

 

フローについて正しくとらえれていないけど、フローの状態に入るということ自体がスキルアップに繋がっているのかもしれないと思った。過去の良い例が受験勉強。ダイレクトに試験と大学生活に直結するので意味も含まれており充実していた。

 

 

 

両親を見ていると、フローの達人だなと思う。

 

早朝から専門的なニュースや英会話ラジオを聞いている父。興味の幅が広く、ゴリラから宇宙まで、父にとって理解できない本はないんじゃないかと思うぐらい多読熟読。最近は翻訳の勉強から始まり、有料英会話レッスンもしているみたい。さらに1年留学の願書まで提出している。。それでも決して一人の殻に閉じこもらず天性の人間好きだからずるい。

 

母は興味を持ったことはレッスン教室でプロに教わり、5年は続けるという信念の持ち主。免許や資格取得に挑戦することが、ただのゴールではなくて趣味を続ける意味や目標だと考えていることが素晴らしいと思う。プロに習うことで回り道せずにいられるし、宿題という名目で強制的にフローする状態を作り出している。私の理想はここ。2日目マインドなくとも自分にとって意味のあるフローの状態に入ること。

 

母が習っていることは、一見主婦の遊びごとに見えるかもしれないけれど、本格的に没頭することで練度を高め、自分の生活を間違いなく豊かにしている。籐かご作りやペイント、中国語、ギター、仏像、パン作り、生け花、フラダンス、薬膳、少林寺など枚挙にいとまがない。

 

母のその点は祖母と似ている。80歳を超えてからも多才、多趣味に拍車がかかっている祖母。レッスンでライバルを仕立て上げては闘争心を燃やし自宅で習字の練習をしたり、本を読んで勉強している。言わずもがな、2人ともとても生き生きしており時間が足りないというぐらい充実した毎日を送っている。

 

 

 

どの世界にも奥深さと面白さがある。変にカチコチの頭でFPの勉強しとかなきゃとか、プログラミンの勉強しなきゃとか考えないほうがいい。時代遅れのFPとかプログラミングだけできるおばあちゃんは嫌だ。(笑)自分の好きなことにエネルギーを注いだ方が将来素敵な女性になれるというのは祖母や母を見て学んだこと。

 

 

 

なんでもチャレンジしてみよう!母も、合わない/できないと判断して手を引いたものもあったけど、いつだって最高の状態でチャレンジしていた。今の私はせいぜい本を読むだけ。もっとお金と労力を使ってチャレンジしよう!

 

 

将来のための時間とは、仕事でいい成績を残すための時間ではない。よりよい転職を目指すためのものでもあってはいけない。

母や祖母のような女性になるために、現在の自分のために時間を使うこと。筆者は上機嫌で生きることが大切で何かを達成しなくてもいいと言っているが、今の私は達成しないと得られない快楽を渇望している。

 

 

今、看護現場で働いていて矛盾や疑問、興味があることが沸々と湧いている。今まで、自分と似た思考本を読んで納得のいく答えや正解を探してきたけど、

 

”自分がするしかない”

フランス料理を日本の家庭料理に昇華した志摩さんを突き動かした言葉。彼女ほど情熱的にはなれないが、彼女みたいに風に吹かれながらも自分の道を切り開いていきたい。

 

 

 

以下、今やってみたいことを書き残しておく。

・検潮儀をつかって天体観測

・流星群の観察

・死期の人間の自然的変化と看護

・がん以外の終末期、緩和ケアと医療体制、制度

・パン作り

・オーバーナイトイーツ

・雲、夕日、天気を読む

 

 

希望は感情の一種で、絶望の後にしか現れない。人間は絶望しているときに高い目標を掲げがちで、これが希望という感情につながりやすい。希望を感じた後の、具体的な行動プランをもってないと絶望状態から希望を感じた状態で脳が気持ちよくなってしまってそこで終わりという「偽りの希望」症候群に陥りやすい

注意…